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WebGLとは?JavaScript と OpenGL ES 2.0 を基盤とし、ブラウザ内で動作するため、プラグインなし でリアルタイムの3Dレンダリングが可能

WebGL(Web Graphics Library) は、ウェブブラウザ上で ハードウェアアクセラレーション を活用しながら 3Dグラフィックス を描画するためのAPI(Application Programming Interface)です。WebGLは、JavaScriptOpenGL ES 2.0 を基盤としており、ブラウザ内で動作するため、プラグインなし でリアルタイムの3Dレンダリングが可能になります。

目次

WebGLの特徴

  1. ブラウザ上で動作
    • Google Chrome、Firefox、Safari、Edge など、主要なモダンブラウザがサポート。
    • 特別なプラグインをインストールせずに3Dグラフィックスを表示可能。
  2. ハードウェアアクセラレーション
    • GPU(グラフィック処理ユニット)を活用するため、高速なレンダリングが可能。
  3. OpenGL ES 2.0 ベース
    • モバイル向けのOpenGL ES 2.0をベースにしているため、モバイル端末でも動作。
  4. JavaScriptとの統合
    • Webアプリケーションやインタラクティブなウェブサイトに組み込みやすい。
  5. 幅広い用途
    • ゲーム(3Dブラウザゲーム)
    • データビジュアライゼーション(3Dグラフ、地図)
    • VR/AR(WebXR APIとの統合)
    • CAD/CG(3Dモデリング・レンダリング)

WebGLの基本構造

WebGLは 低レベルAPI であるため、通常のHTML/CSSのように簡単に描画できるわけではありません。主な手順は以下のとおりです:

低レベルAPI(Low-Level API) は、ハードウェアやシステムに近いAPIで、高速かつ細かい制御が可能だが、扱いが難しい。例えば WebGLOpenGLVulkan などは、GPUの直接操作ができるが、シェーダーの記述やバッファ管理が必要で開発コストが高い。
高レベルAPI(High-Level API) は、低レベルAPIを抽象化し、簡単に利用できるようにしたもの。例えば Three.jsUnity は、複雑な処理を隠蔽し、簡単なコードで3D描画が可能。ただし、低レベルAPIほどの最適化はできない場合もある。
一般的に、初心者や素早い開発には高レベルAPIを、最適化や特殊な制御が必要なら低レベルAPIを選ぶ。用途に応じて使い分けるのが重要。

  1. Canvas要素を作成
    • <canvas> タグを用意し、JavaScriptからアクセス。
  2. WebGLコンテキストを取得
    • canvas.getContext("webgl") を使ってWebGLの描画コンテキストを取得。
  3. シェーダープログラムを作成
    • 頂点シェーダー(Vertex Shader):3Dオブジェクトの頂点を処理。
    • フラグメントシェーダー(Fragment Shader):ピクセルごとの色や光の計算を実施。
  4. バッファと頂点データを設定
    • オブジェクトの形状(メッシュ)、色、テクスチャなどのデータをGPUに送る。
  5. 描画ループ
    • gl.drawArrays()gl.drawElements() を使って描画を実行。

WebGLのライブラリ

WebGLを直接扱うのは難しいため、以下のようなライブラリを使うのが一般的です。

Three.js(人気)

  • 簡単なコードで3Dシーンを作成できる。
  • WebGLの煩雑な設定を隠蔽し、直感的な操作が可能。
  • 公式サイトThree.js
出典:Three.js https://threejs.org/examples/#webgl_camera

Babylon.js

  • Three.jsよりもゲーム開発向けの機能が充実。
  • 物理エンジンやアニメーション機能が強力。
  • 公式サイトBabylon.js
引用元:https://www.babylonjs.com/

PlayCanvas

  • 商用利用向けのエンジンで、3Dエディタも提供。
  • 公式サイトPlayCanvas
出典:https://playcanvas.com/

その他:関連 p5.js

p5.jsは2Dグラフィックスをメインとしつつ、WebGLもサポートしている高レベルなグラフィックライブラリです。しかし、p5.jsはWebGL専用のライブラリというわけではありません。

p5.jsとWebGLの関係
3D描画をする際にWebGLを内部的に利用できる。
p5.jsはデフォルトで2D描画を行うライブラリ(Canvas APIを使用)。

WebGLライブラリの比較

ライブラリ主な用途WebGLサポート
(p5.js)2D/3Dアート、インタラクティブ作品部分的にサポート(高レベルAPI)
Three.js3Dグラフィックス(シーン、カメラ、ライトなど)フルサポート(高レベルAPI)
Babylon.js3Dゲーム開発、物理演算フルサポート(高レベルAPI)
WebGL低レベルなGPU制御直接操作(低レベルAPI)

WebGLのデメリット

  • 低レベルAPIのため学習コストが高い
    • 直接WebGLを使うにはOpenGLの知識が必要。
  • ブラウザやGPUの互換性の問題
    • 一部の古いデバイスやブラウザでは正常に動作しない可能性がある。

WebGL 2.0との違い

WebGL 2.0 は、WebGL 1.0の拡張版で、より最新のOpenGL ES 3.0に基づいています。追加された主な機能:

  • 新しいテクスチャフォーマット
  • MRT(マルチレンダリングターゲット)
  • ジオメトリインスタンシング
  • VAO(Vertex Array Object)の標準化
  • シェーダーの改善

現在、ほとんどのモダンブラウザがWebGL 2.0をサポートしています。

まとめ

WebGLは、ウェブブラウザ上で3Dグラフィックスを描画するためのAPI であり、GPUを活用した高速描画が可能 です。直接使用すると難易度が高いため、多くの場合、Three.jsやBabylon.js などのライブラリと組み合わせて使用されます。

3DコンテンツをWeb上で展開したい場合は、WebGLは必要な技術になるでしょう。
特に、ゲーム開発、データビジュアライゼーション、VR/ARの分野で活用されています。

興味があれば、Three.jsなどを使って試してみるのが良いでしょう。

参考

WebGL

OpenGL / Vulkan / DirectX

Three.js / Babylon.js

p5js

Unity / Unreal Engine

TensorFlow / PyTorch

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この記事を書いた人

AIアーティスト | エンジニア | ライター | 最新のAI技術やトレンド、注目のモデル解説、そして実践に役立つ豊富なリソースまで、幅広い内容を記事にしています。フォローしてねヾ(^^)ノ

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