UbuntuとCentOSは、どちらもLinuxディストリビューションですが、それぞれ異なる目的やユーザー層に向けて設計されています。主な違いは以下のとおりです。
1. ベースとなるディストリビューション
- Ubuntu: Debianを基に開発されており、Debian系のパッケージ管理システムを採用しています。
- CentOS: Red Hat Enterprise Linux(RHEL)を基にしているため、Red Hat系のパッケージ管理システムを使用します。
2. パッケージ管理
- Ubuntu:
apt
やdpkg
コマンドを使い、.deb
形式のパッケージを扱います。 - CentOS:
yum
やdnf
(CentOS 8以降)を使用し、.rpm
形式のパッケージを扱います。
3. サポートとリリースサイクル
- Ubuntu: 2種類のリリースがあります。LTS(Long Term Support)版は5年間のサポートがあり、通常版は9か月のサポートです。LTS版は特に安定性が重視されています。
- CentOS: RHELのクローンとしてリリースされるため、非常に長期間サポートされ、安定性が高いです。主に企業向けやサーバー環境での利用に向いています。
4. 対象ユーザー
- Ubuntu: 初心者にも優しいディストリビューションで、デスクトップからサーバーまで幅広く使われています。個人利用や開発者の環境としても人気があります。
- CentOS: 企業やサーバー用途に適しており、安定性が求められるプロダクション環境で多く使用されます。
5. デフォルトのデスクトップ環境
- Ubuntu: GNOMEが採用されており、ユーザーフレンドリーなUIを提供します(以前はUnityを使用していました)。
- CentOS: デフォルトではデスクトップ環境を持たないことが多く、サーバー向けに最適化されていますが、必要に応じてGNOMEなどをインストールできます。
6. 公式サポートと商用利用
- Ubuntu: Canonical社が開発をサポートし、企業向けに商用サポートも提供しています。
- CentOS: Red Hatのクローンであり、サポートが求められる場合にはRHELの商用版を使う必要があります。
7. コミュニティとドキュメント
- Ubuntu: コミュニティやフォーラムが活発で、ドキュメントも充実しており、初心者から上級者までアクセスしやすい情報が豊富です。
- CentOS: 企業利用のユーザーが多く、商用向けの情報やドキュメントが豊富です。安定性が重視されるため、新しいパッケージや技術の導入が遅い傾向があります。
まとめ
Ubuntuは個人向け・デスクトップ環境や開発環境として使いやすい設計で、CentOSは安定性重視でサーバー用途や企業向けに適しているという点で大きく異なります。
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