MENU
Language

RAG (Retrieval-Augmented Generation)とは?外部データを検索して活用し、生成モデルが文脈に沿った回答を生成する仕組み

RAG (Retrieval-Augmented Generation) は、自然言語処理(NLP)や生成AIの分野で用いられるアプローチの一つです。RAGは、「検索」と「生成」のプロセスを組み合わせて、より信頼性が高く、コンテキストに適した回答を生成する方法を指します。


RAGの基本的な構造

RAGは、以下の2つの主要なコンポーネントから構成されます:

  1. 検索(Retrieval)
    • 大量の外部データ(ドキュメント、データベース、知識グラフなど)から、関連する情報を検索します。
    • 検索エンジンやベクトルデータベースを使用して、高速かつ精度の高い情報検索を実現します。
    • 例:
      • Elasticsearch
      • Weaviate
      • Pinecone
      • LangChainの検索モジュール
  2. 生成(Generation)
    • 検索で得られた情報を元に、生成モデル(例: GPT、T5など)が適切な回答やテキストを生成します。
    • 検索結果をコンテキストとして入力するため、生成モデル単体よりも信頼性の高い結果が得られる。

RAGの仕組み

以下のプロセスで動作します:

  1. 質問の入力
    ユーザーが質問やプロンプトを入力します。
  2. 検索エンジンによる関連情報の取得
    入力された質問に基づき、外部データベースから関連する情報を取得。
  3. 生成モデルによる回答の作成
    検索で得られた情報を生成モデルに渡し、回答や文章を生成。
  4. 出力の提供
    モデルによって生成された回答をユーザーに提供。

RAGの特徴

  • 情報の正確性向上
    生成モデルが外部データを参照するため、単体のモデルに比べて信頼性の高い回答が得られる。
  • 知識の拡張性
    モデルのトレーニングデータに依存せず、最新の情報を外部データベースから動的に取得可能。
  • 軽量なモデルでの活用
    生成モデル自体に大規模なデータを記憶させる必要がなく、効率的に運用可能。

RAGの活用例

  1. 質問応答システム
    • FAQや技術ドキュメントを元に、ユーザーの質問に正確な回答を提供。
  2. カスタマーサポート
    • 製品マニュアルやサポートデータベースを参照して、顧客対応を支援。
  3. 検索エンジンの高度化
    • 検索結果を要約したり、文脈に応じた回答を提供。
  4. 企業内知識管理
    • 社内のドキュメントやデータベースを活用して、従業員の質問に答える。

RAGの主なツールとライブラリ

  • Hugging Face Transformers
    • RAGモデルのサポート。
  • LangChain
    • 検索と生成プロセスを簡単に組み合わせるためのフレームワーク。
  • Pinecone、Weaviate、Milvus
    • ベクトルデータベースを利用して、検索部分を効率化。

RAGと従来の生成モデルの違い

特徴従来の生成モデルRAG
情報ソースモデル内部の記憶外部データを動的に参照
回答の正確性トレーニングに依存外部データを参照するため高精度
更新頻度再トレーニングが必要外部データを更新するだけで対応可能

RAGは、生成モデルの強力な言語処理能力と外部データの検索機能を組み合わせ、応用範囲を大幅に広げる技術です。そのため、信頼性が求められる場面や、動的な知識を必要とするシステムで非常に有用です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

AIアーティスト | エンジニア | ライター | 最新のAI技術やトレンド、注目のモデル解説、そして実践に役立つ豊富なリソースまで、幅広い内容を記事にしています。フォローしてねヾ(^^)ノ

コメント

コメントする

目次