ネームサーバー(Name Server)とDNSサーバー(DNS Server)はどちらもインターネット上でドメイン名を管理・解決するためのシステムの一部ですが、それぞれの役割や機能には微妙な違いがあります。
1. ネームサーバー(Name Server)
- 役割:
ネームサーバーは、特定のドメインに関連するDNS情報を管理するサーバーです。ドメインの「住所帳」として機能し、そのドメインに対するDNS設定(例: Aレコード、CNAMEレコードなど)を保持します。 - 具体的な機能:
- ドメイン登録時に設定される重要な要素。
- ドメインがどのDNSサーバーを使用しているかを示します。
- インターネット全体のDNSシステムの中で、特定のドメインの情報を保持するサーバーを指します。
- 例:
ドメイン「example.com」に関連するネームサーバーが「ns1.example.com」と「ns2.example.com」のように設定されている場合、これらのネームサーバーがそのドメインのDNS設定を提供します。
2. DNSサーバー(DNS Server)
- 役割:
DNSサーバーは、ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み(ドメインネームシステム)を実現するサーバー全般を指します。ネームサーバーもDNSサーバーの一種と考えることができます。 - 具体的な機能:
- ドメイン名からIPアドレスを解決(名前解決)します。
- 様々なタイプがあります(ルートDNSサーバー、TLDサーバー、リゾルバなど)。
- ユーザーがWebサイトにアクセスするときに、適切なIPアドレスを返す役割を担います。
- 例:
「www.example.com」をブラウザに入力すると、DNSサーバーはそのドメイン名に対応するIPアドレス(例: 192.0.2.1)を返します。
違いのまとめ
項目 | ネームサーバー(Name Server) | DNSサーバー(DNS Server) |
---|---|---|
役割 | ドメインに関連するDNS設定を管理する | ドメイン名をIPアドレスに解決する仕組み全般を指す |
機能の範囲 | 特定のドメインに特化している | DNS全体の仕組みを構成する幅広い概念 |
管理対象 | ドメインのDNSレコード情報を保持する | ネームサーバーを含む名前解決のプロセス全般を担う |
具体例 | ns1.example.com, ns2.example.com | Google Public DNS (8.8.8.8 など) |
補足: 関係性
- ネームサーバーは、DNSサーバーの一部であり、DNSシステムの中で特定のドメインに関する情報を提供します。
- 例えば、DNSリクエストが発生すると、リゾルバDNSサーバーはネームサーバーに問い合わせを行い、必要な情報を取得します。
このように、両者は相互に関係しながら動作していますが、役割に違いがあることを理解することが重要です。
参考
Google Public DNS:無料のグローバルな DNS 解決サービス
https://developers.google.com/speed/public-dns
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