Jupyter Notebook は、インタラクティブなコード実行環境を提供する オープンソースのWebアプリケーション です。データ分析、機械学習、教育、研究などの分野で広く使用されており、Pythonをはじめとする複数のプログラミング言語をサポートしています。
Jupyter Notebookの特徴

出典:Jupyter (JupyterNotebook) https://jupyter.org/
1. インタラクティブな実行
コードをセル単位で記述・実行できるため、試行錯誤しながら開発を進められます。
2. マークダウン記述
コードだけでなく、Markdown 記法を使って説明や数式 (LaTeX) を記述できます。
例:
markdown
# タイトル
## 小見出し
**太字** や *斜体* も記述可能
3. グラフや表の表示
データの可視化が容易で、Matplotlib や Seaborn などのライブラリと組み合わせて使用できます。
4. 複数の言語をサポート
デフォルトでは Python をサポートしていますが、R、Julia、Scala などもカーネルを変更すれば使用できます。
5. クラウド・ローカル両方で利用可能
Jupyter Notebook は、以下の主要なオペレーティングシステムで動作します。
ローカル環境だけでなく、Google Colab や Azure Notebooks などのクラウド環境でも利用できます。
OS | 対応状況 |
---|---|
Windows | ✅ 対応(Windows 10/11 推奨) |
macOS | ✅ 対応(Intel / Apple Silicon) |
Linux (Ubuntu, Debian, CentOS, etc.) | ✅ 対応 |
備考
- Windows では、
WSL2 (Windows Subsystem for Linux)
を使用すると、Linuxベースの環境でも動作可能。 - macOS (Apple Silicon: M1/M2/M3) では、
arm64
向けのPython環境が適用される。
Jupyter Notebookのインストール
ローカル環境にインストールする場合、Pythonの仮想環境を作成してから pip
でインストールするのが一般的です。
pip install notebook
例)MacOSで仮想環境を作成してJupyter Notebookをインストールする場合
mkdir my_project
cd my_project # プロジェクトフォルダに移動(任意のフォルダ)
python3 -m venv my_env # 仮想環境 my_env を作成
source my_env/bin/activate # 仮想環境を有効化
pip install --upgrade pip # pipをアップデート
pip install notebook # Jupyter Notebookをインストール

その後、以下のコマンドで起動できます。
jupyter notebook

トラブルシューティング
備考1:root権限での実行は非推奨ですが、一時的にroot権限で実行したい場合のオプションはこちらです。
jupyter notebook --allow-root
備考2:または、root
権限の場合、一般ユーザーに切り替えて実行します。
su - ユーザー名
jupyter notebook
備考3:LinuxサーバーなどCLI環境の場合は、--no-browser
オプションをつけて実行し、ローカルPCで開くことができます。デフォルトでは、Jupyter Notebook は 127.0.0.1
でのみ起動するため、リモートPCからはアクセスできません。
ローカルPCからSSHトンネルでLinuxサーバーに接続します。
ssh -i /任意/.ssh/filename.pem -L [ローカルポート]:[リモートホスト]:[リモートポート] username@linux-server-ip -v
例)
ssh -i /任意/.ssh/filename.pem -L 8888:linux-server-ip:8888 username@linux-server-ip -v
SSHトンネルのコマンドの詳細についてはこちら↓
表示される URL をコピー
http://localhost:8888/?token=xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
ローカルのPC(Windows/Mac)のブラウザにURLを貼り付ける
これでCLI環境でもJupyter Notebookが利用可能です。
Jupyter Notebookの停止
Jupyter Notebookを終了するには、ターミナルで Ctrl + C
を押し、Y
を入力して確定します。
また、仮想環境を無効化したい場合は、以下のコマンドを実行してください。
deactivate
次回以降の起動手順
次回以降、Jupyter Notebookを起動する場合は、以下の手順を実行します。
cd my_project # プロジェクトフォルダに移動(任意のフォルダ)
source my_env/bin/activate # 仮想環境を有効化
jupyter notebook # Jupyter Notebook を起動
Jupyter Notebookの活用例
- データ分析: pandas, NumPy, Matplotlib を用いたデータ処理
- 機械学習: scikit-learn, TensorFlow, PyTorch の学習・モデル評価
- 教育: プログラミングの講義資料や実験レポートの作成
- Web APIのテスト: APIリクエストを送り、レスポンスを確認する
Jupyter NotebookとJupyter Labの違い
項目 | Jupyter Notebook | Jupyter Lab |
---|---|---|
UIの構成 | シンプル | タブ形式で拡張性が高い |
ファイル管理 | 基本的な管理 | より柔軟なファイル管理 |
拡張性 | 限定的 | 高い(プラグイン利用可能) |
現在は Jupyter Lab の方が推奨されており、Notebookの上位互換的な存在です。
pip install jupyterlab
jupyter lab

公式ドキュメント
- Jupyter公式サイト
https://jupyter.org/ - Jupyter Notebook GitHub
ライセンス:BSD-3-Clause license
https://github.com/jupyter/notebook
Jupyter Notebookは、特にデータサイエンスやAIの分野で強力なツールなので、Pythonを使った開発をするならぜひ活用してみてください!
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