IPアドレスとサブネットマスクの設定権限について解説します。
目次
1. IPアドレスの管理
- IPアドレスは、ISP(インターネットサービスプロバイダ)やクラウド事業者から契約者に割り当てられます。
- IPアドレスの管理は、ICANN、IANA、RIR(APNIC、ARINなどの地域インターネットレジストリ)が行い、ISPや企業に配布されます。
- 契約者(個人・企業)は、ISPから指定されたIPアドレスを利用します。
- 通常、契約者はIPアドレス自体を自由に変更できません。
IPアドレスの種類
- グローバルIPアドレス(インターネット上で一意) → ISPから契約者に提供される(固定 or 動的)
- プライベートIPアドレス(LAN内部用) → 契約者が自由に設定可能(例:192.168.1.0/24)
IPアドレスについては、こちらで詳しく解説しています。
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2. サブネットマスクの管理
サブネットマスクの設定は、ネットワークの種類によって異なります。
① インターネット接続(ISP契約の場合)
- ISP(Internet Service Provider:インターネットサービスプロバイダー)から与えられるIPアドレスには、固定のサブネットマスクが設定されています
- 契約者はサブネットマスクを自由に変更できません
- 例:
- ISPから「グローバルIP 203.0.113.5/24」が提供された場合
- これは
203.0.113.0/24
(255.255.255.0) のネットワークとして扱われる - 契約者が自由にサブネットマスクを変更することはできない
② 企業やデータセンター、クラウド環境
- 企業やクラウドの管理者は、サブネットを自由に設計可能
- 例えば、AWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Platform)では、VPC(仮想ネットワーク)内のサブネットマスクを設定できる
- ただし、ISPから割り当てられたグローバルIPのサブネットマスクは変更できない
③ ローカルネットワーク(LAN環境)
- プライベートIPアドレスの範囲内では、契約者が自由にサブネットマスクを設定可能
- 例えば、家庭や企業のLANで
192.168.1.0/24
を192.168.1.0/26
に変更し、細かくネットワークを分割できる - この場合、契約者(ネットワーク管理者)がサブネットマスクを自由に決めることができる
3. 具体的な例
ネットワーク環境 | IPアドレスの設定 | サブネットマスクの自由度 |
---|---|---|
ISP提供のインターネット | ISPから割り当てられる | 変更不可(ISP指定) |
クラウド(AWS, GCP) | ユーザーがVPC内で管理 | 自由に設定可能 |
企業ネットワーク | IT管理者が設定 | 自由に設定可能 |
家庭用LAN(Wi-Fi) | 192.168.0.1 など | 自由に設定可能 |
4. 結論
- IPアドレス(グローバルIP)は、ISPが契約者に割り当てる(契約者は変更できない)
- サブネットマスクは、ローカルネットワーク(LANやクラウド環境)では自由に設定可能
- ISP提供のIPアドレスのサブネットマスクは契約者が変更できない
つまり、
- インターネットのIPアドレス(グローバルIP)では、サブネットマスクは固定で変更不可
- 企業や家庭のローカルネットワーク(LAN)では、サブネットマスクは自由に設定できる
5. 公式ドキュメント
IETF (RFC 4632) – CIDRとサブネットの管理
https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc4632
IANA(IPアドレス管理組織)
https://www.iana.org/numbers
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