インフラ(インフラストラクチャ)は、ITシステムやサービスを支える基盤として、多くのカテゴリに分類できます。以下は、主要なインフラカテゴリとその説明です。
1. ハードウェアインフラ
物理的な基盤を提供する機器や設備。
- サーバー:
- アプリケーションやサービスをホスティングする物理サーバーや仮想サーバー。
- ストレージ:
- データ保存用のディスク(例: SAN、NAS、ローカルストレージ)。
- ネットワーク機器:
- ルーター、スイッチ、ロードバランサーなど。
- データセンター:
- サーバーやストレージを設置する物理施設。
2. ネットワークインフラ
データ通信を実現するためのネットワーク基盤。
- LAN/WAN:
- ローカルネットワーク(LAN)や広域ネットワーク(WAN)。
- DNS:
- ドメイン名とIPアドレスをマッピングするシステム。
- ファイアウォール:
- ネットワークセキュリティを提供するデバイスまたはソフトウェア。
- VPN:
- 安全なリモート接続を実現する技術。
- CDN:
- コンテンツ配信ネットワーク、静的ファイルを効率的に配信。
3. ソフトウェアインフラ
システムを管理・運用するためのソフトウェア。
- オペレーティングシステム(OS):
- Linux、Windows Server など。
- 仮想化ソフトウェア:
- VMware、Hyper-V、VirtualBox など。
- コンテナプラットフォーム:
- Docker、Podman。
- クラスタ管理ツール:
- Kubernetes、OpenShift。
4. クラウドインフラ
仮想化されたリソースをオンデマンドで提供するサービス。
- IaaS(Infrastructure as a Service):
- 仮想マシンやストレージ(例: AWS EC2、Google Compute Engine)。
- PaaS(Platform as a Service):
- アプリケーション開発基盤(例: AWS Elastic Beanstalk、Heroku)。
- CaaS(Container as a Service):
- コンテナの管理を提供(例: AWS ECS、Azure Kubernetes Service)。
- SaaS(Software as a Service):
- クラウドで動作するソフトウェア(例: Google Workspace、Salesforce)。
5. セキュリティインフラ
システムやネットワークを保護するための基盤。
- ファイアウォール:
- 外部からの攻撃を防御。
- IDS/IPS:
- 侵入検知システム(IDS)/侵入防止システム(IPS)。
- SSL/TLS証明書:
- HTTPS通信の暗号化を提供。
- セキュリティゲートウェイ:
- 不正アクセスやマルウェアを防ぐ。
6. データインフラ
データの保存、処理、分析を支える基盤。
- データベース:
- RDBMS(例: MySQL、PostgreSQL)やNoSQL(例: MongoDB、Redis)。
- データウェアハウス:
- 大量データの保存と分析(例: Snowflake、Redshift)。
- ETL/ELTツール:
- データの抽出、変換、ロード(例: Apache NiFi、Airflow)。
7. DevOps/運用インフラ
継続的なデプロイと運用を支える基盤。
- CI/CDツール:
- Jenkins、GitLab CI/CD、CircleCI。
- モニタリング:
- サーバーやアプリの状態を監視(例: Prometheus、Grafana、Nagios)。
- ログ管理:
- ログデータの収集と分析(例: ELKスタック、Splunk)。
- 構成管理:
- サーバーやサービスの設定を自動化(例: Ansible、Terraform)。
8. ミドルウェア
アプリケーションと基盤の間を橋渡しするソフトウェア。
- Webサーバー:
- Nginx、Apache HTTP Server。
- アプリケーションサーバー:
- Tomcat、JBoss。
- メッセージングシステム:
- RabbitMQ、Kafka。
9. コンテナオーケストレーション
複数のコンテナを管理するための仕組み。
- Kubernetes:
- コンテナのデプロイやスケール管理。
- Docker Swarm:
- シンプルなコンテナオーケストレーション。
- サービスメッシュ:
- Istio、Linkerd。
10. ストレージインフラ
データの保存と管理を行うための仕組み。
- ブロックストレージ:
- 仮想ディスク(例: AWS EBS)。
- オブジェクトストレージ:
- 大規模データ保存(例: AWS S3)。
- ファイルストレージ:
- 共有ファイルシステム(例: NFS、Azure File Storage)。
11. ネットワーク管理
インフラの通信を最適化するツールと技術。
- ロードバランサー:
- 複数サーバー間のトラフィックを分散。
- DNS管理:
- Route53、Cloudflare DNS。
- VPN:
- オンプレミスやリモートネットワークの接続。
12. オンプレミス vs クラウドインフラ
- オンプレミス:
- 自社データセンターでのインフラ運用。
- 例: 独自サーバー、ネットワーク機器。
- クラウド:
- クラウドプロバイダからのオンデマンドリソース。
- 例: AWS、Azure、Google Cloud。
13. インフラのトレンド
- Infrastructure as Code (IaC):
- サーバーやネットワーク構成をコードで管理。
- 例: Terraform、AWS CloudFormation。
- エッジコンピューティング:
- データをデータセンターではなくエッジ(端末)で処理。
- サーバーレス:
- サーバー管理が不要なアーキテクチャ(例: AWS Lambda)。
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