Electronは、JavaScript、HTML、CSSを用いてクロスプラットフォームのデスクトップアプリケーションを開発できるオープンソースのフレームワークです。 GitHubによって開発され、現在はOpenJS Foundationによって管理されています。
Electronの特徴
1. クロスプラットフォーム対応
Electronは、Windows、macOS、Linuxの主要なオペレーティングシステムで動作するアプリケーションを、単一のコードベースで開発できます。 これにより、各プラットフォームごとに個別の開発を行う必要がなくなります。
2. ChromiumとNode.jsの統合
Electronは、Chromium(Googleが主導して開発しているオープンソースブラウザでGoogle Chromeのベースとなっているもの)とNode.jsを組み込んでおり、ウェブ技術とネイティブ機能の両方を活用できます。 これにより、ウェブ開発者がデスクトップアプリケーションを容易に構築できます。
3. 豊富なAPIとツール
Electronは、ファイルシステムへのアクセス、通知、メニューのカスタマイズなど、デスクトップアプリケーションに必要な多くのAPIを提供しています。 また、Electron ForgeやElectron Fiddleなどのツールを利用することで、開発、パッケージング、デバッグが容易になります。
開発の始め方
Node.jsのインストール: ElectronはNode.js上で動作するため、事前にNode.jsをインストールする必要があります。
Electronのインストール: プロジェクトディレクトリで以下のコマンドを実行します。
npm install electron --save-dev
パーツ | 意味 |
---|---|
npm | Node.jsのパッケージ管理ツール(Node Package Manager) |
install | 新しいパッケージをインストールする命令 |
electron | インストールするパッケージ名(ここではElectronというフレームワーク) |
--save-dev | インストールしたパッケージを、開発用依存(devDependencies) に記録する |
アプリケーションの作成: main.js
(メインプロセス)とindex.html
(レンダラープロセス)を作成し、基本的なアプリケーションを構築します。
Electronの起動: 以下のコマンドでアプリケーションを起動します。
npx electron

詳細なチュートリアルやサンプルコードは、公式ドキュメントの「はじめに」セクションを参照してください。 Electron
実際の利用例
Electronは、多くの著名なアプリケーションで採用されています。
- Visual Studio Code: Microsoftが提供するソースコードエディタ。
- Slack: チーム向けのコミュニケーションツール。
- Figma: デザインとプロトタイピングのためのツール。
- Discord: ゲーマー向けのボイスチャットアプリケーション。
これらのアプリケーションは、Electronを活用することで、ウェブ技術をベースにしたデスクトップアプリケーションを提供しています。
Electronのサンプルを動かしてみましょう
Electron Fiddleでサンプルアプリを確認する方法はこちらで紹介していますので合わせてご確認ください。
ソースコード
electronソースコード
https://github.com/electron/electron
ライセンス:MIT ライセンス
公式リソース
Electron公式サイト
https://www.electronjs.org/
公式ドキュメント(日本語)
https://www.electronjs.org/ja/docs/latest/
Electron Forgeドキュメント
https://www.electronjs.org/ja/docs/latest/tutorial/forge-overview/
Electron Fiddle
https://www.electronjs.org/fiddle
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