Code Interpreter とは、プログラムのコードを解釈(インタープリタ方式で実行)するツールや機能のことを指します。
一般的な意味での Code Interpreter
通常、プログラムのコードを逐次実行しながら解釈するソフトウェアを指します。例えば、Pythonの python
コマンドや、JavaScript の node
コマンドが該当します。
- Pythonのインタプリタ
python
これを実行すると、Pythonの対話型シェルが起動し、その場でPythonコードを実行できます。 - JavaScriptのインタプリタ
node
これを実行すると、Node.js のインタプリタが起動し、JavaScriptコードを実行できます。
ChatGPT の Code Interpreter とは?
ChatGPT の Code Interpreter(現在の正式名称:Advanced Data Analysis, 略称 ADA) は、Pythonコードを実行できる機能で、数値計算、データ分析、グラフ作成、ファイル処理などを行うことができます。
これは インタラクティブなPython環境 であり、ユーザーが入力したコードを実行し、その結果を出力することが可能です。
OpenAI の ChatGPT Plus 以上のプランで利用できる場合があり、特にデータサイエンスやプログラミングのタスクに役立ちます。
主な機能
1. 数値計算
Python の numpy
, math
などのライブラリを使った計算が可能。
例:行列計算
import numpy as np
A = np.array([[1, 2], [3, 4]])
B = np.array([[5, 6], [7, 8]])
result = np.dot(A, B)
result
→ [[19 22] [43 50]]
のような結果が得られます。
2. データ処理
pandas
ライブラリを使って、CSVやExcelファイルの処理が可能。
例:CSVデータの読み込み
import pandas as pd
df = pd.read_csv("data.csv")
df.head() # 最初の5行を表示
→ CSVデータをPythonで処理できます。
3. グラフ・可視化
matplotlib
や seaborn
を使ってデータの可視化が可能。
例:折れ線グラフの作成
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
x = np.linspace(0, 10, 100)
y = np.sin(x)
plt.plot(x, y)
plt.xlabel("X Axis")
plt.ylabel("Y Axis")
plt.title("Sine Wave")
plt.show()
→ 正弦波のグラフが生成されます。

4. ファイルの解析
CSV、Excel、JSON、画像などのファイルをアップロードし、その内容を解析できます。
例:アップロードしたCSVファイルのデータ分析
- CSVファイルをアップロード
pandas
を使って読み込みdf.describe()
で統計情報を確認
5. 画像処理
PIL
や OpenCV
を使って画像の解析や変換が可能。
例:画像をグレースケールに変換
from PIL import Image
image = Image.open("image.jpg")
gray_image = image.convert("L")
gray_image.show()
→ 画像を白黒に変換して表示できます。
6. テキスト処理
Pythonの文字列処理 (str
, re
など) を使って、テキストデータを処理できます。
例:正規表現を使ったテキスト抽出
import re
text = "ChatGPTのリリース日は2022年11月30日です。"
match = re.search(r"\d{4}年\d{1,2}月\d{1,2}日", text)
match.group() if match else "見つかりませんでした"
→ "2022年11月30日"
のように日付を抽出できます。
使い方
コードを実行する
- Python コードをそのまま入力
- ChatGPT がコードを実行し、結果を返す
例)pandas
を使ったデータ処理
import pandas as pd
import numpy as np
# サンプルデータの作成
data = {
"日付": pd.date_range(start="2025-01-01", periods=10, freq="D"),
"売上": np.random.randint(1000, 5000, size=10),
"顧客数": np.random.randint(50, 200, size=10)
}
# DataFrameの作成
df = pd.DataFrame(data)
# データの表示
import ace_tools as tools
tools.display_dataframe_to_user(name="サンプルデータ", dataframe=df)
実行結果

matplotlib
を使ったグラフ作成も可能。
import matplotlib.pyplot as plt
# 売上データのプロット
plt.figure(figsize=(10, 5))
plt.plot(df["日付"], df["売上"], marker="o", linestyle="-", label="売上")
# グラフの装飾
plt.xlabel("日付")
plt.ylabel("売上額")
plt.title("日別売上の推移")
plt.legend()
plt.grid(True)
plt.xticks(rotation=45)
# グラフの表示
plt.show()
実行結果

ファイルをアップロードする
- チャット画面の「ファイルをアップロード」ボタンをクリック
- CSV, Excel, 画像ファイルなどを選択
- Python でデータを処理・解析
例:CSVファイルの内容を表示
import pandas as pd
df = pd.read_csv("uploaded_file.csv")
df.head()
パワーポイントを作成してもらう
シンプルなスライドを作成するサンプルです。
python-pptxを使用して、ChatGPTの歴史を説明するスライドを作成してください。
【デザインの要望】
- スライドの背景を#f0f8ffにしてください。
- タイトルを太字、フォントサイズを24ptにしてください。
- 各スライドの本文のフォントサイズを18ptにしてください。
Pythonコードの作成が始まります。


ダウンロードリンクをクリックすると、ChatGPTが生成したパワーポイントをダウンロードすることができます。

Code Interpreter(ADA)のメリット
- プログラミング知識がなくてもデータを解析可能
- 対話形式でコードを試せるため、手軽に学習できる
- ファイルのアップロードが可能で、実データを使った分析ができる
- データ可視化や統計計算が簡単に実行できる
制限事項
- インターネットアクセス不可 → Web API など外部サイトのデータ取得はできない
- 実行時間に制限 → 複雑な機械学習モデルの学習などは向かない
- 一部のライブラリが使用不可 → すべてのPythonライブラリが使えるわけではない
まとめ
ChatGPT の Code Interpreter(ADA)は、Python を使ったデータ分析・計算・可視化を簡単に行えるツール です。特に、数値計算やデータ分析を素早く行いたい場合に便利です。
参考
ChatGPT — Release Notes
https://help.openai.com/en/articles/6825453-chatgpt-release-notes
OpenAI ChatGPT Overview:ChatGPTの概要と機能紹介
https://openai.com/ja-JP/chatgpt/overview/
OpenAI API Documentation:APIの利用方法やモデルの詳細
https://platform.openai.com/docs/introduction
Chat API Documentation:チャットモデルのガイド
https://platform.openai.com/docs/guides/chat
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