AWSのネットワークインターフェース(Elastic Network Interface, ENI)は、Amazon VPC(Virtual Private Cloud)内で仮想的なネットワークインターフェースを表すリソースで、AWSのEC2インスタンスにネットワーク接続を提供するために使用されます。ネットワークインターフェースには、主にプライベートIPアドレス、サブネット、セキュリティグループ、MACアドレスなどが含まれ、インスタンスがVPC内のネットワークに接続するための重要な役割を果たします。
ネットワークインターフェースの主な特徴
- プライマリおよびセカンダリIPアドレス
各ネットワークインターフェースには、少なくとも1つのプライマリIPアドレスが割り当てられます。また、必要に応じて複数のセカンダリIPアドレスを追加することができます。これにより、複数のIPアドレスを持つインスタンスを設定できます。 - セキュリティグループ
ネットワークインターフェースには1つ以上のセキュリティグループを関連付けることができ、ネットワークトラフィックを制御します。セキュリティグループは、インスタンスが許可されたIPアドレスやポートにのみアクセスできるように設定するための仮想ファイアウォールの役割を果たします。 - MACアドレスとDNSホスト名
ネットワークインターフェースには一意のMACアドレスが割り当てられます。また、VPCの設定によってはDNSホスト名も自動的に割り当てられ、インスタンスの名前解決に利用できます。 - インスタンス間でのネットワークインターフェースの移行
ネットワークインターフェースは、異なるEC2インスタンス間で接続を変更することが可能です。これにより、例えばインスタンスの障害が発生した際に、別のインスタンスにネットワークインターフェースを移動させてサービスの継続性を保つことができます。 - Elastic IPの関連付け
ネットワークインターフェースにはElastic IP(EIP)を関連付けることができます。Elastic IPは固定のパブリックIPアドレスで、インスタンスの停止や再起動後も同じIPアドレスを使い続けることができます。
ネットワークインターフェースの用途
- 複数IPアドレスが必要なアプリケーション
Webサーバーやロードバランサーなど、複数のIPアドレスで通信する必要があるアプリケーションで、ENIを活用してプライマリおよびセカンダリIPアドレスを割り当てることができます。 - 障害時の冗長化
あるインスタンスが故障した場合、ネットワークインターフェースを別のインスタンスに付け替えることで、IPアドレスやセキュリティ設定をそのまま引き継ぎ、迅速にサービスを復旧できます。 - 異なるネットワークセグメントへの接続
異なるサブネットやVPC内のリソースに接続する必要がある場合、複数のネットワークインターフェースを持つことで異なるセグメントに接続できます。
まとめ
AWSのネットワークインターフェースは、EC2インスタンスがVPC内でネットワーク通信を行うための仮想的なインターフェースで、複数のIPアドレスやセキュリティ設定、Elastic IPとの関連付け、インスタンス間の移行など、ネットワークの柔軟な管理が可能です。
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