AIのモデルを階層化すると、以下のように整理できます。それぞれのレベルで具体例や応用も含めて説明します。
1. AIの大分類
- 汎用AI(Artificial General Intelligence, AGI):
- 人間のように幅広いタスクをこなすことを目指すAI。
- 現在のAIは「特化型AI」が主であり、AGIはまだ実現されていません。
- 特化型AI(Narrow AI):
- 特定のタスク(例: 画像認識、翻訳、ゲームプレイ)に特化。
- 現在のほとんどのAIシステムはこの範囲に属します。
2. モデルのアプローチ別分類
2.1 機械学習(Machine Learning, ML)
- 教師あり学習:
- 入力と正解ラベル付きデータで学習。
- 例: 線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン(SVM)。
- 教師なし学習:
- ラベルなしデータで学習。クラスタリングや特徴抽出を行う。
- 例: K-means、主成分分析(PCA)、t-SNE。
- 強化学習(Reinforcement Learning, RL):
- エージェントが環境から報酬を得ながら試行錯誤で学習。
- 例: Q-learning、Deep Q Network(DQN)。
2.2 深層学習(Deep Learning, DL)
- 機械学習の一種で、ニューラルネットワークを活用。
- 階層的な特徴抽出が可能。
3. モデルのタイプ別分類
3.1 ニューラルネットワークの種類
- 全結合ニューラルネットワーク(Fully Connected Neural Network, FCNN):
- 基本的なニューラルネットワーク構造。
- 例: シンプルな回帰や分類タスク。
- 畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network, CNN):
- 画像データに特化。
- 例: 画像認識(ResNet, VGG, Inception)。
- 再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network, RNN):
- 時系列データや自然言語に特化。
- 例: LSTM、GRU。
3.2 トランスフォーマー(Transformers)
- 自己注意機構を用いたモデルで、自然言語処理に特化。
- 例: BERT、GPTシリーズ、T5。
3.3 生成モデル
- 生成敵対ネットワーク(GAN):
- データ生成に特化。
- 例: DeepFake、画像生成。
- 変分オートエンコーダ(Variational Autoencoder, VAE):
- 特徴抽出や生成。
- 例: 画像や音声の生成。
- 拡散モデル(Diffusion Models):
- データのノイズ除去で生成する。
- 例: DALL·E、Stable Diffusion。
4. 特定用途別モデル分類
- 自然言語処理(NLP):
- BERT、GPT、T5、RoBERTa。
- 画像処理:
- ResNet、YOLO、EfficientNet。
- 音声処理:
- WaveNet、DeepSpeech、Tacotron。
- マルチモーダル:
- CLIP、DALL·E、Flamingo(複数のデータタイプを扱う)。
5. 大規模モデルとその応用
- 大規模言語モデル(LLM):
- ChatGPT、BERT、Claude、LLaMA。
- マルチモーダルモデル:
- GPT-4(テキスト+画像入力)、CLIP。
- 生成AI:
- Stable Diffusion(画像生成)、ChatGPT(文章生成)。
6. 階層のまとめ
AI
├── 汎用AI(AGI)
└── 特化型AI(Narrow AI)
├── 機械学習(ML)
│ ├── 教師あり学習
│ ├── 教師なし学習
│ └── 強化学習(RL)
└── 深層学習(DL)
├── ニューラルネットワーク
│ ├── FCNN
│ ├── CNN
│ ├── RNN
│ └── トランスフォーマー(Transformers)
├── 生成モデル
│ ├── GAN
│ ├── VAE
│ └── 拡散モデル
└── 応用モデル
├── NLPモデル(BERT, GPT)
├── 画像モデル(ResNet, YOLO)
├── 音声モデル(WaveNet)
└── マルチモーダル(CLIP, GPT-4)
この構造に基づき、AI技術をどの分野やタスクで活用するのかを明確にしやすくなります。
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